某月某日、ポルトガルのリスボンとポルトを訪れた。今回は飛行機の手配に苦労して、リスボンから入る予定であったが、ポルトから行くことになった。ルフトハンザがポルトの空港にアプローチを始めたのは23時過ぎフランクフルトで長い待ち時間を過ごすことになった。アプローチを始めた飛行機からはポルトの美しい夜景を見ることができた。
ポルトはポルトガルのオリジンとなる街である。もともとポルトは海洋国家らしく「港」という意味であるし、カールというのはポルトガル地方の俗称であったことから、ポルトガルという国名になったといわれている。
海洋国家のため、肉などの主要部位は船に乗せたことから臓物料理が郷土料理として発達したのだという。リスボンと比べて多少北部にあるせいか気候は穏やかであったように思った。翌日はグレゴリス教会に行ったが、市のシンボルであるタワーと隣接をしていた。
45分待ちとのことであったのでタワーに上るのはあきらめて聖堂の中を見学した。いつもノートルダム大聖堂で祈りを捧げるけれど、このときの情報ではパリのシテ島は閉鎖中とのことであった。ノートルダムを冠する教会はフランスに8か所あるけれどもノートルダム大聖堂以外では一番近くてもパリから1時間半ほどかかってしまう。
ということで甥っ子のシュシュとともに、グレゴリス教会で健康と静謐な心の維持のお願いをする。アップダウンの大きい街だけあって、景色が非常に美しく茶色の家々に塔が見えるなどガイドブックに出てきそうな景観が僕らの心を魅了する。
その後いくつかの教会を山登りするかのように回る。若い子はいいけれどポルトガルに住むのは大変なことだと思う。日差しは強いものの穏やかで、海は大西洋に直接面しているため、波は日本海のように強めだ。
その後ハリーポッターの魔法の図書館のモデルとなった本屋に行く。本屋というより、観光地になっているイメージで、特に二階に上がる独特の階段の形はハリーポッターの世界を彷彿させる。ちなみに、なぜか待合ではドラゴンボールZのランプが置いてあって、ドラゴンボールの強さを改めて知る。タクシーの運転手は、海軍に所属していたとのことで、日本人では山本五十六を知っていると話したが、「一番有名なのは鳥山明だね」とのことであった。ポルトガルにはかつて徴兵制があったのでその世代の人なのかもしれない。山本五十六は部下の信認を得るのが得意な軍人であったというような話しをしたり、鳥山明はおそらく名古屋に住んでいるといった話しをしたりして楽しむ。
その後は、橋をわたり、ポートワインの醸成場を見学する。ボルドーのそれとは異なり、観光地化されているところもあるが、ポートワインの種類については勉強になった。未成年のシュシュには悪いが、僕らが参加したのはポルトガル語のツアーだった。シュシュの第二外国語はスペインであるので何とかなるかな、と思いつつ、なかなかついていけないオリジン日本の二人。
その後はホテルで夕食を食べて休んだ。アメリカCBSで日本未配信の「グッドファイト」の第3シーズンが視聴できたので、夕食後はドラマを見て過ごす。ただ、ダイアン・ロックハート(クリステーン・バランスキー)は秘密結社で2020年の大統領選の投票箱にハッキングしようと試みるというストーリーであった。私は、エレガントなダイアンらしい法廷弁護を期待していたので第3シリーズは野心的であるがダイアンには王道を行ってほしくやや残念な内容であった。こうして美しい夜景のポルトでの一日は過ぎていった。