笑いかけて、ぱっと顔をあげると、少しふてくされた息子の顔。
念願の伊達メガネ。名探偵コナンくんみたいだね。
「あれ、どうしたの、任天堂switchやる?」
「いや、別に」
「なんだよー」
「・・・」
「言って」
「僕に『ただいま』をいうのが先でしょ」
そんなことを大真面目にいう息子に一瞬笑おうとしたけど、真剣な気持ちを「どすこい」と受け止める。
「何、かわいいこといっているの?」
「別に。昔は帰ったらすぐに、『ただいま』って抱き着いてくれたのに」
でも、そんな彼に、後ろから抱きしめて、笑いながらいう。「ただいま」
もちろん彼も拗ねているわけではない。機嫌を直して、「おかえりなさい」と応じてくれる。
そのまま、パパっとご飯を作り、そこに息子も参戦してくる。台所は戦場だ。
こんな具合に、ときめきの補充のできあがり。疲れているときは、たまにはこういう癒され方もあるのでは?