離婚と「おとなの発達障害・アスペルガー」

名古屋の離婚弁護士のコラムです。 一般的には10年程前から新書で大人の発達障害に関するものがたくさんだされて、今や本屋さんにはあふれかえっているという印象もあります。 それだけ認知度が進んだのかな、と思いますし、家裁調査官研究紀要でも発達障害の人が来たらこういうふうに調停を「いなす」のが望ましいというような論文もあります。 もっともどちらかというと家族は理解してくれていて、会社がとういアプローチが多かったような気もしますが、発達障害ないしアスペルガー自体が定型発達の人と比べると、離婚原因になっているケースが多いと思います。 昔は、「働いている男の人はそんなもんだ」で片づけられていた問題は、今は、病院で診断を受け脳の機能障害とされるわけです。 そういう点で、家庭生活の多さで「疲れやすさ」という点がキーワードになることもあるのかな、と思います。論文よりもインターネットの記事を編集した方が分かってもらえやすいかと思いました。 夫婦生活には、様々なパワーが必要です。ゴミだしだって、会社で働くことだって、家事だってなどなどです。 ところが、アスペルガーや発達障害の人は、ある意味「スマホのアプリの入れすぎ」のような状態で充電がなくなるのが早いという指摘はうまい比喩だなあと思いました。 ★自閉症の人の疲れやすさ・慢性疲労は、そんな感じなんです。 ・偏食による栄養の偏りや睡眠障害による、そもそもの充電不足 ・コミュニケーションをとったり、姿勢を維持する事にリソース(それに必要なアプリ)を使いすぎる為に起こる消費量の過多 これは生活習慣からくるものですが、こういう生活習慣の背景にも機能障害があるのかもしれません。 私が、たとえが上手いと思ったのは、発達障害の人やアスペルガーの人は自分なりにSST、ソーシャルスキルトレーニングを受けて、「定型発達者に近くなる」訓練をしています。 それが道徳的や尊厳的にいいかはおいておいて。その中でもLDの人などは、努力すれば分かりますので分かろうとするわけですが定型発達の人と比べるとトレーニングで解くわけですから、その疲労感、放電しているという感覚はあるでしょう。 もっとも、これらは、薬理コントロールで日常の少なくとも仕事をするという観点からは問題がないものにできます。精神論もいいですが、車の両輪と考えると良い心もちですね。 なので、ある程度の年齢になると、特徴的な発達障害やアスペルガーの障害は外部的には見えなくなる傾向があります。しかし、それは自分の中のスマホアプリをたくさんインストールして作動させている結果だからということができると思います。そこのところは自分や周囲の人にも理解してもらう必要があるのではいでしょうか。 BtoBの大手企業の場合、労働密度が高くないものもあります。ですから、それほどアプリのインストールがいらない職種もありますので、自分の特性にあった労働密度かどうかも家庭環境に影響を与えるといえるかもしれません。スマホもアプリをいれすぎると「削除」してくださいと出るとおり、SSTの中でも取捨選択しないといけないものが、あるインターネット記事のたとえからはあるのだと思います。 もう一つは体格的な問題です。 よく発達障害の人は身体をフラフラさせて教師から殴られた経験がある人もいるかもしれません。体のバランスを整えたりするために必要な前庭感覚や固有感覚に対して鈍麻な人は、ただ座っているだけで疲れます。体幹が弱く体がいつもフラフラしたアンバランスな状態なのです。ですから、足だけは怪我されないようにする必要がありますね。 そうはいっても、「じっと座る」という事ですら、アンバランスの修正を行っているのです。前庭感覚や固有感覚に対して鈍麻な自閉症の人は、立っている時はもちろん、歩いている時も座っている時も、こんなスタビライザー(安定させる機能)を動かして、バランスの修正をしているのです。したがって、横になっているときが一番楽というのは、体格的な問題からは一応説明がつくわけです。 とはいうものの、傾向と対策がないわけではありませんが、発達障害の人のアプリばかりを増やせば、電池の劣化も進み充電も速くなくなってしまいます。休憩などこまめにいれたり役割分担をしたり、家庭内で書斎をもったりひとりでゆっくり刺激から解放される時間をもうける必要もあります。 離婚や夫婦関係円満などには、そういう背景が価値観の不一致として現れることもあります。

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