グローバリゼーションが進むと価値観が多様化する、といわれていたように思います。 しかし、インターネットなどにより皆が「同じ」情報を共有することにより、多様化よりも価値観の画一化、それに伴う単一価値観しか認めない複数見解の対立の先鋭化が目立つように思います。 ご夫婦の問題を考えるにあたっても、答えは一つではありません。常識的によくても自分にとってはよろしくない、ということの最適解があると考えられます。 心の余裕というのもありますが、現実以外の異なる現実を受け入れるということも大事ではないかと思います。それは、ドラマでかっこいい価値観というようなものだけではない、と思います。 人間は過去の延長線上で生きるので、自分が手にした価値観を捨てられない人が多いでしょう。 ご離婚を考えるにあたっても、あるのは家族と自分だけという考えではなく、社会やコミュニティも意識して良い意味で前途を切り開いていくことが大事であると思います。 現在の社会は失敗を過度に恐れているような気がします。先般、私は弁論で、証人が「後悔していることがある」と述べられたので「その後悔をどのように活かしていきますか」と質問しました(公開法廷での弁論)。失敗したら後がないというようになると極端で保守的な行動になりがちになってしまいます。人と人との交流が社会や家族の活力ですから、そうした活力は失われていくように思います。 そういう意味では、ご離婚を考える際は、心に幅を持つ、体力のある心をもって、いくつかの選択肢を受け入れる余裕を持つことが大事なように考えられます。そこに新しい家族のかたちが見つかるかもしれません。