離婚調停でAが親権者になりましたが、面会交流を無視して、長男の人格形成を阻害するものとして、Bが提訴したというもので、静岡地裁浜松支部平成11年12月21日判時1713号92ページは慰藉料500万円という金額を認めました。 その後も類似の裁判例はありますが、慰藉料は100万円以下との判断が示される例が多いようです。 【事実認定】 原告父が自己本位でわがままであるとは認められず、むしろ被告母の親離れしない幼稚な人格が家庭というものの本質を弁えず、子の監護養育にも深く考えようとしないわがままな態度にある 【結論】 子との面接交渉権は、親子という身分関係から当然に発生する自然権である親権に基づき、これが停止された場合に、監護に関連する権利として構成されるものといえる。そして、親としての情愛を基礎として、子の福祉のために認められるものである。 本件の諸事情を考慮すれば、その妨害、期間、被告の態度などから、原告の精神的苦痛を慰藉するには金500万円を相当とする との判断が示されました。 面会交流は強制執行をすることができませんので、会えない場合は、こうした民事訴訟を提起して、自己の正当性を認めてもらったうえで、改めて家事審判の申立をするというのがベターではないか、と考えます。 同様の判例は横浜地裁においても出されています(横浜地判平成21年7月8日)。